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A.レーモンド設計 聖十字教会を訪ねる

住宅地の角を曲がると現れるかまぼこ型の建物。ちょっと見には協会に見えないような建物ですが、A.レーモンド設計の聖十字教会です。

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教会建築、とくに詳しいわけではないのですが、レーモンド設計の教会はいくつか見に行っています。特に小さな協会は儀式をたくさん執り行なう大聖堂と違い、日常的に祈りをささげる場として作られているのか、家庭的な雰囲気があり好きです。また、たくさん教会を設計しているのに、構造や壁の仕上げなどそれぞれ違っているのでどれを見ても面白みがあります。


レーモンドはチェコ人の建築家ですが、1919年に帝国ホテルで有名なF.L.ライトの助手として来日して以来日本に留まり、数多くの作品と後継者を育て、日本の建築界に多大な貢献をした人です。


有名な教会だと、軽井沢 聖パウロカトリック教会 とか
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札幌 聖ミカエル教会 とか。
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こちらの聖十字教会は1961年に建てられました。

今まで行ったレイモンドの教会は、どこも包み込まれるような内部空間がありました。HPの静かな時をもちたい・・ どうぞおでかでください。という言葉に期待して訪ねたのですが、快く中を見せてくださいました。

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内部はラワンベニヤです。ステンドグラスから入ってくる自然光がぼんやりと照らす、薄暗く、洞窟に入ったような空間です。


入口ステンドグラスを内部から見る。
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照明は暗めに設定されているそうです。今では少し明るくも出来るそうですが、ちょうどいらっしゃった神父さんが、竣工当初の明るさにセットしてくださいました。建築についても詳しい方で、レーモンドのエピソードなどもお話してくださりました。高橋神父、ありがとうございます。


外観、内部ともに派手なところはなく、キリストを身近に感じるような気がしました。同じ教派で、聖オルバン教会もレーモンドの設計ですが、同じような雰囲気があります。ここの椅子に座っていると、自然と心が安らぐといっては言いすぎでしょうか・・。素朴な内装と天井からふくらみながら流れ落ちる壁を見ていると、自然とそんな気になってきます。


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これはチボリウムという、聖体であるパンを保管しておく容器だそうです。教会に合ったかわいらしいデザインです。



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椅子もレーモンド。家具を担当していた奥様のノエミさんのデザインだと思います。開拓時代の教会を思わせるようながっちりした作りですが、とてもすわり心地がよかったです。


こんな教会が近くにあれば、クリスマスのミサなど行ってみたい、信者でなくてもそう思えるような親しみやすい建物でした。


東京聖十字教会
http://www.nskk.org/tokyo/church/seijuji/seijuji.htm

by atelier-tsubaki | 2012-10-31 02:20 | 建物探索

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