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佐倉の武家屋敷

佐倉では川村記念美術館のあと、市内の武家屋敷を見学。

町の中の一角に建物の建築年代が約50年ほどづつずれている

「旧河原家」「旧但馬家」「旧武居家」という三軒の屋敷が保存・公開されています。


佐倉藩の城下町だったという佐倉市、今では当時の遺構は残っていないそうですが

1981年ごろから調査を行い、

3軒の屋敷を移築・復元したとのことです。

武家屋敷のある一角は緑も多く、すがすがしい景観となっていました。


まず見学したのが「旧河原家」。一番古く18世紀後期の建設。

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中級武士の住まいだそうですが300石ということは中の上くらいでしょうか。



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柱・梁は民家に比べてずいぶんと細い感じです。

大きな土間にかまど。

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調度品なども展示されていました。


室内に長押がない簡素な作りでしたが、長押をつけていいのは千石以上、

三百石程度では座敷、居間、玄関の旧造のみ可、

それ以下では座敷でも不可、と制定されていたとのこと。

その他玄関幅は2間までとか、畳表のへりなどに関しても規制があったそうです。

封建制度から生まれた秩序が建物にも及んでいたんですね。




真ん中にあるのが「旧但馬家」。50年下って19世紀前期に建てられたそうです。

屋根にくっついているのはヨモギの束。端午の節句にはこうして軒から下げるのが風習であるとか。



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この建物は当初からこの場所にあったものの復元なので、庭や樹木、裏庭の畑など当時の生活の様子を一番良く伝えているようです。

庭に大きな木があり、菜園もあっていい暮らしをしていたように見えますね。

反面、家の中は部屋数も少なく、押入れや収納もほとんど見当たらないのが現代の和風住宅と大きく違うところです。



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こちらは内部の設備がリニューアルされて使用できるようになっています。

子供の日ということで甲冑を試着できるイベントに使われていました。

リアル甲冑、そこいらのコスプレより恰好良かったです。



三軒目は「旧武居家」、さらに50年くだり19世紀中期以降 建造。

一番小さな武家屋敷です。

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屋根はもとは茅葺。全体の形がユーモラスで武家、といった感じはあまりしませんね。


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90石のの「旧武居家」は間口2間の玄関をつけるのが許されなかったので、

玄関の間口1間半です。身近なスケールに感じてしまうのはそのせいかも。

江戸時代の武家屋敷はその大半が藩が所有し、藩士に貸し与えたもので

藩士は職務内容や俸禄に見合った住宅に住んでいた、とパンフレットにありました。

身分の変化で転居する場合も多かったとか。


今でいう社宅、それとも議員宿舎でしょうか。。


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土間と土壁の表情が美しいです。



三軒の武家屋敷、

門構えや庭のつくりも、豪華ではありませんが

全てに心が行き届いているようで気持ちよく見学させていただきました。

どうもありがとうございます。


佐倉市公式サイト http://www.city.sakura.lg.jp/0000000617.html








by atelier-tsubaki | 2014-05-06 23:09 | 建物探索

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