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聖アンセルモ目黒教会│レーモンドの教会建築 その2

目黒駅から徒歩5分ほど、聖アンセルモ目黒教会があります。聖十字教会とは全く違うタイプの建物ですが、これも同じA.レーモンドの設計。こちらは打ちはなしコンクリートで作られた少し規模の大きい教会ですが、作られたのは戦後すぐの1955年。1961年竣工の聖十字教会よりも少し前になります。


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道路側から見えるのは教会堂の後ろ側です。横の壁は折れ線状になっており、縦長の開口部から光が入ります。この光の感じがまた独特なのですが、説明するのが難しいので後の写真ご覧下さい。


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教会堂内部。祭壇には金色の彫刻と十字架。聖十字教会は究極までシンプルな木の十字架でしたが、こちらは後ろの円のモチーフと合わせてモダンアートのよう。どちらもレーモンドのデザイン。


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背面部には大きなパイプオルガンとステンドグラスがあります。幸運なことにこのときはパイプオルガンの練習日にあたっており、重厚な音色を聴かせてもらうことができました。


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先ほど外から見えた側面の壁。教壇に向かって座ると後ろから光が入り、自然光の間接照明になっています。


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間接光に照らされるように壁に掛けられているレリーフは「十字架の道行」。
キリストの受難にあわせた14の場面が、手のモチーフで表現されています。


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十字架の道行きの祈り カトリック中央協議会発行「十字架の道行」より引用 
カトリック教会には、イエスの不正な裁判から十字架の死に至る歩みを、14場面に描いた絵画やレリーフなどが聖堂内に並べて掛けてあり、それぞれを"留(りゅう)"といいます。 「十字架の道行」の祈りは、このひとつひとつの"留"を順次たどって、イエスの受難の各場面を黙想し、回心しキリストの愛にならうための祈りです。

こちらのサイトにも詳しく出ていました。
http://www1.odn.ne.jp/uracathe/mitiyuki1.htm
聖書に関する知識、自分の中ではかなりあやしげですが、少し知っておくと海外旅行の時や絵画を見るとき助けになりそうです。

レリーフはレイモンドの奥様、ノエミさんのデザインです。


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丸く区切られた階段室は、軽井沢の聖パウロカトリック教会と似ていますね。

教会全体が大きな彫刻のような、造形的魅力にあふれた建物です。写真が広角でないのもあり、緊張感のある縦に伸びる空間の雰囲気伝えきれていませんが、東京にもこんな建物があったんだ、と思うような本当に素敵な教会です。

聖アンセルモ目黒教会
http://www.catholicmeguro.org/



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by atelier-tsubaki | 2012-11-02 01:13 | 建物探索

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