森林の回復をめざして

今年もあと10日。カレンダーの関係で、年末年始はちょっと長い休みになりそうですね。


ちょっと間が開いてしまいましたが、前回の続きです。


江戸時代から戦後まで、300年間以上も続いた山地・森林の劣化、荒廃はその後次第に回復していきますが、その要因は植林や森林の保護に加え、エネルギー革命、肥料革命といった社会の変革が大きかったようです。その結果、4,50年という脅威のスピードで森林は回復し、400年ぶりともいえる豊かな緑を取り戻しているのが現在の姿だそうです。


しかし、量的に回復した一方、質的には新たな荒廃が見られると森林飽和では指摘しています。例えば、

 ・下草やササが伸び放題で、一歩も中に入れない。
 ・間伐をしないので木が鬱蒼と茂り、林内に光が入らない。
 ・人口林でも木の枝うちやつる切りなどをしないので、形のよい木材が生産できない。
 ・竹(孟宗竹)がはびこり土壌が貧栄養状態になっている。
 ・放置された林では老齢の木が多くなり、虫害が広がりやすい。

よく、”森が荒れている”などという表現を聞きますが、手入れを怠るとすぐに上記のような状態になってしまうそうです。


戦後に植えた苗木が生長し始めたころに外国産材の輸入が急増し、国内の林業が急速に衰退して手入れの経費が捻出できなくなったとのことですが、以前は木や草どころか、若芽やつるも生活に役立てていたことを考えると、もったいないことをしてるんですね。やっと緑が回復したと思ったら、今度は放置されている。今はこの問題に対応すべき時だと指摘されています。


本文から引用します。
人工林の荒廃、天然林の放置
現在、国産材の価格(材価)が50年前の水準にまで落ちていることは、物価の変動を考慮すると異常というほかない。その結果として国産材の生産から得られる利益は非常に小さくなり、生産量が落ちて木材の自給率は5年ほど前まで20%以下に低下していた。近年中国やインドなどの途上国の木材需要が高まり、外国産材の供給が逼迫して自給率は多少上昇しているが、正常な経営環境には程遠い。間伐・枝打ちなどが法規されるだけでなく、伐採後に後継樹を植えない「植栽法規地」すら少ないないと聞く。



本文中ではこうした荒れた林が土砂災害や洪水を引き起こすメカニズムにも、詳しく触れています。そして、新しい森づくりとして以下のような考え方を提唱しています。

地域の森林の管理を具体的に考える場合は、まず森には「護る森」と「使う森」があることを明確に意識することである。(中略)
結局、新しい森づくりとは、ふたたび私たちの役に立つ森づくりである。森は保護するだけでよいわけではない。手入れが必要であり、できる限り使うべきなのである。森林の多方面機能を総合的かつ高度に発揮させることにより、持続可能な社会に貢献できるのである。



森から離れたところに住んでいると、森林を守りたいとは思っても、森を使うという発想にはなかなか思い至りませんでした。材木は使いますが・・・。
近隣の市民の森などは実質は公園なので、きちんと管理されています。荒廃した山と管理された公園、この中間の所に位置するのが「里山」のイメージでした。この「里山」を維持するためには森を徹底的に収奪しなければならないということがわかりました。で、里山ボランティア、早速申し込んでみました。森林の整備(間伐・下草刈払い・剪定)が作業内容だそうです。その模様はまた追って・・・。
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by atelier-tsubaki | 2012-12-20 19:29 | 建物の性能・エコ・環境

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