人気ブログランキング | 話題のタグを見る

和風建築の魅力あふれるお屋敷│旧安田楠雄邸見学

千駄木にある旧安田楠雄邸は、大正時代に建てられた木造住宅です。
毎週水・土に公開されています。

http://www.national-trust.or.jp/properties/y-tei/y-tei.html#


先日の1月7日には七草粥のふるまいもあるということで、それも楽しみに見学してきました。

和風建築の魅力あふれるお屋敷│旧安田楠雄邸見学_b0274159_11132786.jpg
玄関を入って1室だけ洋室があり、あとは和室が連なっています。


和室というと、畳があって襖か障子で仕切られていて、場合によっては床の間があって、と
皆同じようなものだと感じるかもしれませんが、
こちらの邸宅では、各部屋のコンセプトごとにすべて違うデザインでまとめられいます。
天井、壁、床の間、建具・・ それぞれが絶妙のバランスで纏められていて見どころ満載でした。


和風建築の魅力あふれるお屋敷│旧安田楠雄邸見学_b0274159_11273745.jpg
洋室を出て廊下を進むと、次には和風の客間である斬月の間。
表千家宗家不審庵の書院「残月」の写しとなっています。
残月亭の写しは今までにもいろんな所でお目にかかりましたが、
書院でありながら堅苦しい感じが抑えられているような、おだやかな茶室らしさを感じます。

こちらはオリジナルと同じ京間10畳に付書院のついた形で、平面的にはだいたい同じ図面になるのですが
窓の位置や、床の間と書院の間に小壁があるなど細部が異なるだけでかなり印象が変わります。

床柱もオリジナルは角柱、こちらは北山杉の絞り丸太です。
畳の敷き方も違いますね。

オリジナルから変更した所を見て、人の動きや開口部との関係を考えてかな、
などと推測したりするのも面白いです。
また、内法(建具の入る鴨居下面の高さ)寸法や落とし掛けの高さでも
部屋の印象がこんなにも変わることを実感すると、
正解のない部分だけに和風建築はやはり難しいな、と感じます。


残月の次は茶の間です。
和風建築の魅力あふれるお屋敷│旧安田楠雄邸見学_b0274159_11090120.jpg
こちらは床も踏み込み床で、親しみやすい家族団らんの雰囲気が感じられる部屋でした。
床の間のデザインなどもすっきりしていてカジュアルな印象、
そのまま新築の住宅に採用しても良さそうです。

和風建築の魅力あふれるお屋敷│旧安田楠雄邸見学_b0274159_11090088.jpg
猫間障子から庭が見えます。外側にガラス戸などないので寒かったでしょう。
障子にネジ締り錠がついているのも珍しいです。


2階は2間付きの客間と予備室があり、階段も2つあります。
こちらは織部床のある予備室です。
和風建築の魅力あふれるお屋敷│旧安田楠雄邸見学_b0274159_11090181.jpg

和風建築の魅力あふれるお屋敷│旧安田楠雄邸見学_b0274159_11090110.jpg

和風建築の魅力あふれるお屋敷│旧安田楠雄邸見学_b0274159_11090146.jpg
廊下側の欄間模様は茶道具などでよく見られる「つぼつぼ」。
ちなみにつぼつぼ模様についてネット検索してみたところ、千家によって微妙に違うらしいのです。
そこまで気にしてみたことはなかったですね・・。

和風建築の魅力あふれるお屋敷│旧安田楠雄邸見学_b0274159_12322451.jpg

廊下もはさんで本格的な水屋もあり、収納も多くて使いやすそうでした。

和風建築の魅力あふれるお屋敷│旧安田楠雄邸見学_b0274159_11090174.jpg




2階の客間は書院造で、安田邸で一番格式の高い座敷とのことです。
床の間、欄間、襖絵、どれをとっても繊細ないい仕事です!

和風建築の魅力あふれるお屋敷│旧安田楠雄邸見学_b0274159_12384211.jpg

和風建築の魅力あふれるお屋敷│旧安田楠雄邸見学_b0274159_12384275.jpg

初めて行った旧安田邸ですが、こんなにも素晴らしい邸宅が見れて幸せでした。
お庭にも工夫がこらされているそうですが、今回はそこまで見る余裕がなかったので、
また季節を変えて、見学しに行きたいと思います。


和風建築の魅力あふれるお屋敷│旧安田楠雄邸見学_b0274159_12494783.jpg
ご馳走様でした。





by atelier-tsubaki | 2015-01-12 12:45 | 建物探索

『マッピー』用ボーダー

<< 川越の家 オープンハウスのお知らせ 2015年 始動しました! >>