和風建築の魅力あふれるお屋敷│旧安田楠雄邸見学
2015年 01月 12日
毎週水・土に公開されています。
http://www.national-trust.or.jp/properties/y-tei/y-tei.html#
先日の1月7日には七草粥のふるまいもあるということで、それも楽しみに見学してきました。
和室というと、畳があって襖か障子で仕切られていて、場合によっては床の間があって、と
皆同じようなものだと感じるかもしれませんが、
こちらの邸宅では、各部屋のコンセプトごとにすべて違うデザインでまとめられいます。
天井、壁、床の間、建具・・ それぞれが絶妙のバランスで纏められていて見どころ満載でした。
表千家宗家不審庵の書院「残月」の写しとなっています。
残月亭の写しは今までにもいろんな所でお目にかかりましたが、
書院でありながら堅苦しい感じが抑えられているような、おだやかな茶室らしさを感じます。
こちらはオリジナルと同じ京間10畳に付書院のついた形で、平面的にはだいたい同じ図面になるのですが
窓の位置や、床の間と書院の間に小壁があるなど細部が異なるだけでかなり印象が変わります。
床柱もオリジナルは角柱、こちらは北山杉の絞り丸太です。
畳の敷き方も違いますね。
オリジナルから変更した所を見て、人の動きや開口部との関係を考えてかな、
などと推測したりするのも面白いです。
また、内法(建具の入る鴨居下面の高さ)寸法や落とし掛けの高さでも
部屋の印象がこんなにも変わることを実感すると、
正解のない部分だけに和風建築はやはり難しいな、と感じます。
残月の次は茶の間です。
床の間のデザインなどもすっきりしていてカジュアルな印象、
そのまま新築の住宅に採用しても良さそうです。
障子にネジ締り錠がついているのも珍しいです。
2階は2間付きの客間と予備室があり、階段も2つあります。
こちらは織部床のある予備室です。
初めて行った旧安田邸ですが、こんなにも素晴らしい邸宅が見れて幸せでした。
お庭にも工夫がこらされているそうですが、今回はそこまで見る余裕がなかったので、
また季節を変えて、見学しに行きたいと思います。
by atelier-tsubaki | 2015-01-12 12:45 | 建物探索